相続税経費のすべて!控除できるものとできないもの

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相続税経費のすべて!控除できるものとできないもの

相続税経費のすべて!控除できるものとできないもの

相続税の申告を控える相続人にとって、税負担を少しでも軽減したいというのは切実な願いでしょう。

しかし、何が経費として認められるのかを正しく理解していないと、かえって誤った申告をしてしまい、後々トラブルになりかねません。
そこで本記事では、相続税計算で控除できる経費の範囲を明確にし、節税につなげるポイントをご紹介します。

□相続税計算で考慮すべき主な経費

相続税の計算において、遺産から控除できる主な経費には以下のようなものがあります。

1:被相続人の債務

相続開始時点で被相続人に存在していた債務は、相続税法に基づき控除の対象となります。
ただし、相続開始後に発生した債務は控除されないので注意が必要です。

2:葬式費用

被相続人の葬儀に要した費用も、相続税計算上は控除が認められています。
ここでいう葬式費用には、葬儀の直接的な費用、例えば斎場の使用料、遺体の搬送費用、火葬費用、お寺への御礼などが含まれます。

3:非控除項目の例

一方で、相続人が他の相続人や遺産の調査のために支出した費用、相続税申告の際の税理士報酬などは、控除の対象外です。
これらは被相続人の債務ではなく、相続開始後に発生したものだからです。

4:葬式関連費用の留意点

葬式に関連する費用の中には、控除対象とならないものもあります。
例えば香典返しや法事の費用は、葬式費用とは認められません。
葬儀の直接費用のみが控除の対象だと理解しておきましょう。

要するに、被相続人に帰属する債務と葬式費用のみが、相続税計算上は遺産から控除できるのです。
それ以外の費用は、たとえ相続に関連するものでも、原則として控除対象外となります。

□相続登記とその経費

相続税の節税対策を考える上で、もう一つ押さえておきたいのが、相続登記にまつわる経費の取り扱いです。

1:相続登記の重要性と義務化

被相続人が所有していた不動産を相続する際は、所有権の移転を登記する「相続登記」が必要です。
現在は期限の定めがありませんが、2024年4月からは一定期間内の登記申請が義務化されます。

2:登録免許税は経費算入可能

相続登記の際にかかる登録免許税は、不動産所得や譲渡所得の申告の際、必要経費として計上できます。
登録免許税は不動産の固定資産評価額に応じた金額を納めます。

3:司法書士報酬も経費に

相続登記を司法書士に依頼した場合の報酬も、必要経費として認められます。
司法書士報酬は事務所ごとに異なりますが、比較的シンプルな案件であれば10万円前後が相場と言えるでしょう。

4:適切な相続登記でトラブル回避

相続登記を適切に行うことは、所有権の明確化によって、相続人間の紛争を防ぐ効果もあります。
税務上のメリットだけでなく、スムーズな相続のためにも、登記手続きは重要だと言えます。

□まとめ

相続税の計算では、被相続人の債務と葬式費用のみが遺産から控除できる経費です。
一方、相続人が相続のために要した費用は控除対象外となります。
また、相続登記の登録免許税と司法書士報酬は、所得税の申告で必要経費とできることも押さえておきましょう。
控除できる経費を正しく理解し、適切に申告することが、相続税の節税につながるのです。