不動産共有名義で片方が死亡したらどうなる?相続手続きや税金・トラブル防止策を解説
不動産共有名義で片方が死亡したらどうなる?相続手続きや税金・トラブル防止策を解説
不動産を共有している場合、その不動産を所有している人が亡くなると、相続が発生します。
共有不動産の相続は、単独所有の不動産の相続とは少し異なる点があります。
この記事では、不動産共有名義で片方が死亡した場合の相続手続きや税金、トラブル防止策について解説します。
□不動産共有名義で死亡した場合の相続手続き
不動産共有名義で片方が死亡した場合、相続は自動的にほかの共有者に移転することはありません。
亡くなった方の共有持分は、相続財産として、法定相続人に相続されます。
相続手続きは、遺言書の有無や遺産分割協議の有無によって異なります。
1:遺言書がある場合
遺言書がある場合は、遺言書の内容に従って相続が行われます。
遺言書には、相続人に誰を指定するか、相続財産をどのように分配するかなどが記載されています。
遺言書の内容に不服がある相続人は、家庭裁判所に遺言の無効を申し立てられます。
2:遺言書がない場合
遺言書がない場合は、民法の規定に基づいて相続が行われます。
民法では、相続人は、配偶者、子、直系尊属(父母、祖父母)、兄弟姉妹の順に相続権を持つとされています。
相続人は、遺産分割協議を行い、相続財産の分配方法を決めます。
遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てられます。
3:共有不動産の相続手続きの流れ
不動産共有名義で片方が死亡した場合の相続手続きの流れは以下のとおりです。
・相続人全員で遺産分割協議を行い、共有不動産の分配方法を決めます。
・相続人が確定したら、相続登記を行い、亡くなった方の名前を相続人の名前に変更します。
・相続税の申告が必要な場合は、相続税の申告を行います。
□不動産共有名義の相続税の仕組みと軽減策
不動産共有名義の相続では、相続税が発生することがあります。
相続税は、亡くなった方の遺産の総額から基礎控除額を差し引いた金額に対して課税されます。
1:基礎控除額
基礎控除額は、相続税の申告義務が発生するかどうかの基準となる金額です。
基礎控除額は、3000万円+600万円×法定相続人の数で計算されます。
たとえば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は5400万円になります。
2:相続税の計算方法
相続税は、相続財産の評価額に対して税率がかけられます。
相続財産の評価額は、不動産の場合、相続税法上の評価方法によって算出されます。
3:相続税の軽減策
相続税を軽減する方法はいくつかあります。
1.小規模宅地等の特例
小規模宅地等の特例は、自宅や事業用の宅地を相続したときに、一定の要件のもとで相続税評価額を減額できる制度です。
この制度は、共有不動産の相続においても適用できる場合があるので、相続税の申告時に税理士に相談してみましょう。
2.相続税の申告期限
相続税の申告期限は、相続開始の日から10か月です。
相続税の申告が遅れると、延滞税が課される可能性があります。
□まとめ
不動産共有名義で片方が死亡した場合、相続手続きや税金、トラブル防止策について、具体的に理解することが大切です。
相続手続きは、遺言書の有無や遺産分割協議の有無によって異なるため、それぞれのケースにおける手続きの流れを把握しておく必要があります。
また、相続税の申告義務が発生するケースと発生しないケースを理解し、必要に応じて相続税の申告を行うようにしましょう。
共有不動産の相続は、複雑な手続きが伴うため、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。