空き家問題とは？深刻化する3つの要因と今後のための対策
空き家問題とは？深刻化する3つの要因と今後のための対策
日本の空き家数は増加の一途を辿っており、深刻な社会問題となっています。
空き家問題に関心があり、現状や対策について理解を深めたい、将来の不動産相続や住宅購入を検討している方のために、この記事では、空き家問題が深刻化する要因、国や自治体が取り組む対策、そして今後の展望について解説していきます。
□空き家問題が深刻化する3つの要因
日本の空き家問題は、高齢化・人口減少、相続問題、空き家管理・活用の難しさなど、複数の要因が複雑に絡み合って深刻化しています。
1:高齢化・人口減少
少子高齢化が進む日本では、人口減少が加速しており、住宅需要も減少傾向にあります。
そのため、空き家が増加する一方、新規住宅の建築は減少しています。
国土交通省の「令和元年空き家所有者実態調査」によると、空き家の発生原因の8割以上が、別の住宅への転居や死亡によるものであり、今後も人口減少に伴う空き家の増加は避けられないでしょう。
2:相続問題
空き家の取得経緯の多くは相続によるものです。
特に、遠隔地に所有する空き家は、相続人が管理・活用することが難しく、放置されがちです。
また、相続時に親族間でトラブルが発生し、空き家の解体や売却について合意が得られないケースも見られます。
3:空き家管理・活用の難しさ
空き家を適切に管理するためには、定期的なメンテナンスや清掃が必要ですが、遠方に位置する空き家や、高齢者など管理能力が低い所有者にとって、これらの作業は負担が大きくなります。
さらに、空き家を活用する場合、老朽化による修繕費用や、買い手・借り手が見つからないなどの課題があります。
□空き家問題の今後のための対策
1:税制優遇
空き家の所有者に対して、固定資産税の減税措置や、売却時の譲渡所得税の控除など、税制上の優遇措置が設けられています。
これらの施策により、空き家の売却や活用を促進し、放置される空き家を減らすことを目指しています。
2:空き家バンクの活用
空き家バンクは、空き家の所有者と空き家を必要とする人をマッチングするシステムです。
自治体が運営する空き家バンクを利用することで、空き家の有効活用を促進し、空き家問題の解消に貢献しています。
3:適切な管理・除却の推進
国は、著しく保安上の危険となる恐れがある空き家を「特定空き家」、放置すると特定空き家になりかねない空き家を「管理不全空き家」と定義し、これらの空き家に対して、行政が指導や勧告、行政代執行を行なう仕組みを導入しました。
□まとめ
日本の空き家問題は、高齢化・人口減少、相続問題、空き家管理・活用の難しさなど、複合的な要因が重なり合って深刻化しています。
国は、税制優遇、空き家バンクの活用、適切な管理・除却の推進など、多角的な対策を進めていますが、空き家問題の解決には、所有者や地域住民の意識改革、そして行政の積極的な取り組みが不可欠です。
この記事が、皆様の空き家問題に対する理解を深める一助となれば幸いです。
