不動産売却で領収書に印紙は必要?種類と貼り方の基礎知識を解説
不動産売却で領収書に印紙は必要?種類と貼り方の基礎知識を解説
不動産売却を検討している皆様は、手続きや費用面で不安を抱えているかもしれません。
特に、印紙税については、どんな書類にいくら貼ればいいのか、そもそも必要なのかなど、疑問が多いのではないでしょうか。
今回は、不動産売却における領収書に貼る印紙について、種類や貼り方、納付方法、注意点などを分かりやすく解説します。
この記事を読めば、印紙税に関する不安が解消され、安心して売却を進められるようになるでしょう。
□不動産売却における印紙税とは?
不動産売却は、登記費用や抵当権抹消費用、不動産鑑定士費用など、さまざまな費用がかかりますが、印紙税も売却時にかかる費用の一つです。
印紙税とは、「課税文書」に対して課税される税金のことです。
課税文書とは、領収書や契約書、借用書や手形、株券、債券などの印紙税法で規定されている文書のことを指します。
印紙税は、文書の種類によって税額が異なります。
1:印紙税の対象となる「課税文書」
不動産売却において、印紙税の対象となる課税文書は、主に以下の2つです。
・不動産売買契約書
・不動産売買代金の領収書
2:印紙税の金額
印紙税の金額は、課税文書の種類や金額によって異なります。
例えば、不動産売買契約書の場合、契約金額が100万円を超えると、契約金額に応じて印紙税がかかります。
契約金額が100万円以下であれば、印紙税は不要です。
3:非課税文書
印紙税の対象となる課税文書以外にも、課税文書に該当しない「非課税文書」の書類もあります。
例えば、契約金額が1万円以下であれば、印紙税が不要となります。
また、電子契約の場合は、「文書の作成」に該当しないため、PDFファイルやメールの電子データでの取引であれば、印紙税は不要です。
なお、2022年5月から不動産関連の契約も電子契約が認められるようになっています。
4:印紙税の納付方法
印紙税の納付方法は、主に以下の2つの方法があります。
・収入印紙を課税文書に貼り付ける
・税務署で事前に印紙税を納付して証明書をもらう
収入印紙を課税文書に貼り付ける場合は、印鑑または署名にて「消印」を押す必要があります。
消印を押すことで、課税文書と収入印紙が再利用不可となり、収入印紙が使用済みであることを示せます。
収入印紙の貼り忘れや、押し忘れが税務署にて発覚した場合は、本来の印紙税分の3倍に相当する「過怠税」が徴収される可能性があるので注意が必要です。
□不動産売却で必要な印紙の入手方法と貼り方
印紙の入手方法は、印紙の種類によって購入可能な場所が異なります。
また、印紙税の納付方法は、売買契約書に収入印紙を貼り付け消印を押すか、税務署で事前に印紙税を納付して証明書をもらうかの2通りがあります。
スムーズに印紙税の支払いをするためにも、内容を理解しておきましょう。
1:収入印紙の種類によって購入可能な場所が異なる
収入印紙は、印紙の種類によって購入可能な場所が異なります。
収入印紙の種類は、1円〜10万円まで31種類にも及び、必要な金額に応じて、何種類かの収入印紙を組み合わせて貼り付ける場合もあります。
・コンビニエンスストア
200円の収入印紙を購入することができます。
ただし、多くのコンビニエンスストアでは、200円の収入印紙が中心に販売されており、他の金額の収入印紙を置いていないことも多いです。
・郵便局
1円〜100,000円の収入印紙を購入することができます。
ただし、一部の店舗を除いて、全31種類の収入印紙の取り扱いがあります。
規模の小さい郵便局では、5万円を超える収入印紙の在庫が少なかったり、そもそも置いていなかったりする場合もあるので、事前に連絡してから購入しましょう。
・法務局
「印紙売りさばき所」という売店が設置されており、売店では全31種類の収入印紙を取り扱っています。
郵便局のように、規模の大小関係なく収入印紙を揃えているため、5万円以上の高額な収入印紙が目的であれば、法務局を利用するのが効果的です。
2:印紙の貼り方
収入印紙は、課税文書の右上隅に貼り付けます。
貼り付ける際は、収入印紙の台紙から剥がすのではなく、台紙ごと貼り付けます。
収入印紙を貼り付けた後は、印鑑または署名にて「消印」を押す必要があります。
3:消印について
消印は、収入印紙に貼り付けた課税文書の右上隅に押します。
消印には、印鑑または署名を使用することができます。
印鑑を使用する場合は、会社印や個人の実印を使用します。
署名を使用する場合は、氏名と日付を記入します。
4:過怠税について
収入印紙の貼り忘れや、押し忘れが税務署にて発覚した場合は、本来の印紙税分の3倍に相当する「過怠税」が徴収される可能性があります。
過怠税を回避するためにも、収入印紙の貼り忘れや、押し忘れには十分注意しましょう。
□まとめ
不動産売却における印紙税は、課税文書に貼る収入印紙によって納付する税金です。
印紙税の対象となる課税文書は、不動産売買契約書や不動産売買代金の領収書などがあり、契約金額や文書の種類によって税額が異なります。
印紙の入手方法は、コンビニエンスストア、郵便局、法務局など、場所によって取り扱っている印紙の種類が異なります。
印紙の貼り付けや消印には、それぞれ注意点があるので、過怠税を回避するためにも、しっかりと理解しておきましょう。